スペイン バルセロナに於いて2008/05/30~2008/06/01の3日間で開催された指圧国際大会について報告いたします。
今回、私 浪越満都子は慢性疲労症候群についての指圧デモンストレーションと説明を行いました。風邪のような症状に加えて、激しい疲労感や倦怠感におそわれる病気です。この病気は1984年アメリカで発見されています。
●原因
原因不明であるがウィルス感染症の可能性が高い。寝不足・ストレス・酒の飲みすぎが発病の原因となる事も多い。
●症状
微熱・頭痛・筋肉痛・関節痛・リンパの痛み・視力障害など、神経的症状や不眠・記憶喪失などが起こり、これらの症状が半年以上続いたり再発を繰り返す。
●治療
適切な栄養や休養・睡眠などの生活態度に気をつけ、ストレスを溜めすぎないよう精神面におけるケアが必要。 指圧治療は慢性疲労症候群を改善する効果が高いため、定期的に受ける事が望ましい。
講演会に参加した一人の女性 エリアンさんのスピーチを抜粋
私の名前はエリアンでブラジル人です。
今はバルセロナに住んでいます。私はブラジルの山奥の小さな村に生まれ、小さいときから畑仕事、まき割りなどの重労働をする生活を送っていました。
あれは私が9歳の時でした。いつものように丸太を切っていると、腰に激痛が走りました。その日から激痛を我慢して過ごす生活が始まりました。私はガチョウが歩くように腰が砕けた格好で歩行するようになりました。その後も何人もの医者、治療家、マッサージ師のところで診てもらいましたが、私の症状はいっこうに良くなりませんでした。
また、17歳の時には”30歳前には必ず車いす生活になる”と担当の医者、治療師などに言われ、地獄のような生活は、私が23歳になるまで続きました。
23歳のある日、知り合いの女性に連れられて、ボランティアの指圧師の所へ行きました。そこにいたブラジル人の指圧師は私の背中、腰を親指で押し始めました。(その時は、それが指圧と呼ばれる日本の治療法だと知るはずもありませんでした)
初めての治療の後、痛みが軽減していくのを感じました。結局、私は彼のところで合計15回の治療を受けました。15回目の治療の後、私は9歳から23歳まで私を苦しめていた激痛から解放されていました。
その後、私はその指圧師の治療法を学びたいと思い、彼の診療所で指圧の実技を教わりながら彼の助手として働く事になりました。彼のもとで3年間、指圧の実技を学びました。
歳月が過ぎ、私はブラジルを出てスペインのバルセロナで指圧学校があるのを見つけて、もっときちんと指圧を学ぼうと、エミリオ エスティビル マルティネスさん(Emilio Estivill Martinez)の指圧学校で浪越指圧の基本と技術を頑張って勉強しました。
そして今日、私にとって夢のような日が訪れました。スペインの指圧講演会に参加した私の目の前に、今、指圧の世界で一番大事な人が、私に指圧の指導をしてくれているのです。
指圧のおかげで私は今、歩く事が出来る、その指圧を私自身が、体の具合の悪い人達に行う事で彼らにも希望をもたらす事が出来る。
指圧が私の人生を輝かしくし、素晴らしいものにしてくれた。これを目の前の浪越満都子先生に伝えたい。私の指圧に対する感謝の気持ちをみんなの前で伝えたい。
そして、指圧が世界に広まる事で、私のように痛みに苦しんでいる人たちを助ける事が出来る、その感謝の気持ちをみんなの前で伝えたい。
ムーチャス グラシアス シアツ(どうもありがとう指圧)